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前十字靭帯(ACL)断裂

前十字靭帯の断裂の瞬間の貴重な映像が記録されているYouTubeです。

 

ACL損傷の多くは、ニーイントウアウトが原因と言われています。

膝下の下腿部分が外側に外旋する下腿外旋が起こることでトウアウトが起こるのですが、

 

いくつかの画像を見てみると、

たしかに下腿外旋が起きることで、

前十字靭帯の損傷がおこりやすいアライメントになっていることがわかります。

 

ところが実際につま先が外を向いているトウアウト状態にある状態で

受傷しているケースは実はそんなに多くなく、

この画像のように切り返しのためにつま先はむしろ内側を向いているケースが多いのです。

 

オープンスタンスでの切り替え動作では、

切り替えのためにトウアウトは行わず、

つま先は開かない状態で足元で制動をかけ、身体を支えようとするために、

足元は極度に回外をしています。

 

ここでしっかりと支えられていればよいのですが、

画像からもわかる通り、

瞬時に足元では、ほぼ外反捻挫のような激しい回外が起こり、

そのことで急激な下腿外旋が起こっています。

 

画像を繰り返しみていると、

この足元での急激な回内により、ため込まれた下腿の外旋パワーが

一気に解放され、瞬間的なニーイン状態を下腿側から作られた形になっています。

 

さらによーく見ると、

この選手のシューズの履き口ゆるくないですか?

靴ひも緩くないですか?

靴の変形もすごい大きく見えます。

タングのベロも外側にまわっているので、

下腿外旋や、日常でのトウアウト、とトウアウト状態からつま先を前に向けた時に起こる

足部の回外がつよい選手などだと見受けられます。

 

靴の緩さがもし、この選手の受傷機転となっているとしたら、

靴選びや履き方の指導でケガを予防できたかもしれません。

 

さらに、もしこの選手がアーチの高すぎるインソールを使用していたとしたら、、

合わないインソールで受傷確率は増えている可能性が高いです。

 

既製品インソールのほとんどが強めのアーチで、「入っている感」を出しています。

また、インソールのアーチ部分のへたり防止のために土踏まずを固める構造になっています。

 

トップアスリートも契約などの関係で既製品インソールを使用しているケースをよく見かけますが、

本来インソールはオーダーメイドであるべきです。

 

誰の足かもわからない左右対称の足裏にわざわざ足を入れてしまうと

ケガにつながりかねません。

 

ヒトのメガネをかけると、合わなくて気持ち悪くなります。

それに似たようなことがインソールでも起こっています。

 

決められた足裏でしかも左右対称で、

まるでハズ〇ルーペや老眼鏡で過ごしているようなものです。

 

自分の足に関心レベルが高いリテラシーの高いアスリートは

既製品インソールは使用しません。

 

既製品インソールがマイナスに働いて問題が起こったであろうアスリートを何人も見てきています。

このようACL損傷のように選手生命に大きな影響を与えるケガの予防には

アスリートは絶対知っておかないといけない知識かと思います。