既製品インソールの問題点

既製品インソールは左右対称

人の足は必ず左右非対称

既製品のインソールは、左右の足の形状も同じに作られています。

また、土踏まずの高さは、どのような基準で作られているかわかりません。

 

オーダーメイドインソールがあなたの足型で作られるとすれば、

 

既製品インソールはどんな足型で作られているか明らかにされていません。

人間の足の裏の形は、必ず1対(つい)関係にあります。

片足が内側(親指側)に体重がかかっていれば、反対側の足は必ず外側(小指側)に体重がかかる構造になっています。

 

皆さんもぜひ立った姿勢で、腰を左右側方に動かしてみたり、左右に回してみてください。

この時、足の裏の体重の位置がそれぞれ内側、外側に変化しているのが感じ取れるはずです。

 

このように人間の左右の足の土踏まず形状は、必ず異なります。

これには法則性があり、腰の位置や姿勢が大きく関係しています。

 

フットトレーナーズではインソール作成の際に個々の持つこの姿勢の法則性を分析。

さらに、足裏の形状や動きの癖を確認し、ウィークポイントを補うようにインソールを作成しています。

 

ところが、既製品のインソールでは、左右の形状が一緒であるために、

どちらかの足には合っていても、片方の足には強すぎる状態(過矯正)になってしまっているか、

片方の足にはサポートが不十分になっている可能性が強いということになります。

 

 

既製品インソールは誰の足?

既製品インソールは、土踏まずの高さや足裏の形状に関しても、

何を基準として決められた足型かは明らかにされていません。

 

つまり、誰だかわからない足型の上に乗せられている可能性が強く、

その土踏まずの高さも、個人個人に合っていない可能性が高いのです。

 

理想の足型に近づけたというインソールもありますが、

その根拠については明記されたものを見たことがありませんし、

そうなると、有名ブランドのものも、粗悪品も、差がよくわかりませんし、どう見分けて良いのかもわかりません。

シューズメーカーはなぜアーチサポートインソールを入れないのか?

シューズメーカーも、足裏は十人十色ならず、左右も入れると十人二十色なわけですから、

この部分を画一的にデザインしてしまうと、痛みやスレなどの問題が起こることが予測されるので、

 

インソールに関してはシューズメーカーは、ノータッチにしているわけです。

 

つまり一定数の合う合わないが存在するはずであり、

既製品インソール使用者の中でも高い満足度を得ているユーザーもいれば、

まったく足に合わずに使わなくなってしまったというユーザーもいるはずです。

インソールはメガネと一緒

よくインソールはメガネと一緒と例えられることがあります。

メガネは、視力の低下した人が、かけている時に目がよく見えて、外すと視力は元に戻ってしまいます。

メガネは検眼をして左右の視力を確認し、左右それぞれの目がベストな視力を出せるように処方されます。

 

インソールも同じように、足の機能低下を左右別々にチェックして、

左右別々にベストな形状のインソールをオーダーで作成するのが本来の姿であると思います。

 

既製品のインソールは、メガネで言えば、左右の度数が一緒の老眼鏡や拡大鏡のようなものです。

日常で使用を続けると、多分気持ち悪くなってしまいますよね?

 

足裏も、メガネ同様に足裏の検眼士である我々が、足の機能や動きをチェックし、

ベストな状態で作成することが必要なのです。

 

既製品インソールの製造上の限界

良いものと売れるもの

世の中に出ている様々な製品には、

人に優しい いい製品もあれば 今ひとつな製品でもよく売れる製品があります

 

例えば 靴は、ファッションやデザインの要素もあるので

ブランド力で売れるものもあれば タレントの起用などで売れる製品もあります

これらが混在していることで 我々消費者は 本当に必要な良いものを選ぶのが困難になっています

 

まして 靴やインソールは使い方を誤れば 健康に関わるような製品であるだけに

内容の伴わないブランド品や 売れているものに手を出すことでの健康へのリスクが少なからず発生してしまいます

 

既製品インソール製品の構造

既製品インソールの多くは 使用感を出すためにアーチ部分を少し強めにデザインしています

入っているかどうかが感じられないインソールは 入っていても意味がないと思われて売れないからです

 

また 土踏まず部分を長期間キープするために

構造上どうしても固定力が強くなってしまいます

これだと動きに対応したスポーツ用インソールよりも 固定を重視した医療用や治療用のインソールに近づいてしまいます

 

医療用インソールについてはこちら

既製品インソールがグリップ性を高められない理由

本来足裏のグリップの良さが必要なインソールですが

アーチ部分の強めな既製品インソールで 表面素材のグリップを良くしてしまうと

足裏や土踏まずの靴擦れや 足裏の熱感 タコやマメなどの問題が多発してしまいます

 

そのため 靴にもともと入っているインソールと同様に

既製品のインソールは足裏との摩擦を弱くすることで擦れを防止しています

このため 多くの既製品インソールは 靴の中で足が滑りやすいという問題がおこりやすいのです

 

つまり 既製品インソールはユーザー個々の足に合わせることができないために

土踏まずのスレ対策としてあえて滑る素材を採用せざるを得ないのです。

既製品インソールにありがちな中足骨(メタ)ドーム

既製品スポーツインソールでは表面素材の他にも

土踏まず部分のスレ対策として 踏まずのアーチ部を上げずに中足骨ドームを上げる方法を採用しているものもあります

 

中足部ドームは 足裏の真ん中あたりにある凹みで

よくコンフォートサンダルの真ん中あたりに逆三角形の膨らみを目にしたことがあるかと思います

これは既製品スポーツインソールによくありがちな構造です

 

この部分をサポートすればアーチを高くしなくても

足裏の3点支持が可能になり 土踏まずの靴擦れのリスクを減らしてインソール効果が出せて

さらにアーチの高さによって起こる過矯正や 過矯正から起こる捻挫などのリスクが抑えられます

 

とはいえ

足裏の真ん中部分は 人によって 肉付きなどが異なったり

足の着地の仕方や 足の裏の組織の状況によって 圧迫による痛みが発生しやすい箇所でもあります

なので この部分の大きさや高さも 本来は個々の足に合わせていなければ

足裏に圧迫による痛みや、問題が起こるリスクが高くなってしまいます

ヒールカップの構造と足の前滑り

既製品スポーツインソールの最大の課題は

かかとの後部の立ち上がりの深さによって 足が前方に滑るという現象です

 

既製品スポーツインソールのほとんどが

金型によってベースとなるフレーム部分を成形しています

これはプラモデルに代表される プラスチック加工製品の製法である

射出成形(インジェクション製法)という技術が使われています

 

インソールのヒールカップ(かかと部分のカップ)を深くすれば

個人差があって痛みが出やすい 土踏まずのアーチ部分上げずに済ませることができます

 

ただし ヒールカップを深く成型するためには「抜き勾配」という金型成型の製造上の理由で

ヒールの後ろ側を深く成形しなければ深いかかとの形状が保てません

 

そのため、かかとの深い形状の樹脂製芯材を使ったインソールは かかと部分の後方に斜面が大きく張り出してしまい

この後方の斜面に かかとが乗った時に 足が前方に滑りやすくなるという問題が必ず発生してしまいます

 

既製品インソールはスレ防止のために滑りやすい表面素材を使っていることは既に説明したとおりですが

このかかと部分後方の斜面と インソールの表面素材が 重なることで 靴の中で足が前方に滑りやすくなり

その結果 足指が圧迫されて使えなくなってしまったり

外反母趾やハンマートゥなどの趾部変形のリスクを高めてしまいます

 

フットトレーナーズにいらっしゃるお客様で 既製品スポーツインソールを使っている方の約8割が

足が前に滑ってしまっており かかと部分が靴の後ろに密着していない状態で履いている方でした

 

大量生産、大量販売の功罪

スポーツ用インソールの元祖はスキー用オーダーメイドから

スポーツ用オーダメイドインソールが世に広まったきっかけは1980年代に起こった世界的なスキーブームです

もともとはスキー用として足裏に無駄なく圧をかけるために土踏まずを支えてスキマを埋めるというような発想からスポーツ用オーダーメイドインソールはスタートしました

 

インソールメーカーは 世界中にたくさんあったスキーショップの店員さんを オーダーメイドインソール職人に育てることで販路を拡げました

このスキーショップのでの販売をきっかけにオーダーメイドインソールは世に知られることとなりました

 

今ではスキーブームも去り スキーショップも少なくなったことで

技術者を育てるというビジネスモデルが時代にマッチしなくなってきました

インソールメーカーも技術向上や人材育成ではなく

生き残りを賭けて 幅広い販売チャネルに安価で簡易なモデルに注力することで利益を守る必要がありました

 

オーダーメイドで培った技術ではなく 過去にオーダメイドで作り上げたブランド力と資金を使って

設備投資や海外の生産工場と契約し大量生産のインソールを販売しているのが現在の状況です

 

そのため最近のスポーツ用オーダーメイドインソールの市場では

 急速に技術力と知識量の低下が著しく 良いインソールを作成できる人材や 経験が豊富な技術者が不足しています

将来のスポーツインソール市場の展望

最新の北米のマーケットリサーチ数社によると

高齢者人口の増加にともない フットケアや足の重要性に気づいた層が インソールに目を向けはじめ

スポーツ用インソールはカスタム需要(オーダーメイド)が高まる可能性を予測しており

今後のスポーツインソール市場をオーダーメイドインソールが牽引していくとの見方を示しています


ハイリスクアプローチからポピュレーションアプローチへ

より簡単に精度の高いインソールが作成できる技術や機材の開発と

より安価で機能的な素材の調達をはじめ 様々な場所で簡単にスポーツ用オーダーメイドインソールが作られ

スポーツにとどまらず お子様やご高齢の方などが 気軽にスポーツ用インソールを使う

公衆衛生レベルでの普及に少しでも近づけるようフットトレーナーズは邁進していきます。

私たちのミッション

私たちのインソールについて

フットトレーナーズ代表